友達の恋人　～　一夜からはじまる愛の物語　～
2週間、私は計画通りに渉と会わずにいられた。
なのに、「今日、臨時の会議が入ったから第２会議室でお茶出しお願い。」主任からの言葉に私はしまったと、詰めの甘さが出てしまったと気づいた。
かなり大きな仕事。臨時の会議がたくさん入っても不自然ではない。

もうすぐやめるのに、やりたくないなんてわがままは言えず、結局私はお茶出しに駆り出された。

どうしても向かない気持ちと比例して足取りが重くなる。
重力が2倍にも3倍にも感じながら私は会議室へ向かった。

扉を開けるとそこには私の最後の願いもむなしく、渉が座っている。

小さくため息をついてから私はコーヒーを配り始めた。

手がやけに冷たくて、震える。
でも渉に何も気づかれないように、深呼吸をしながらカップを持ち、渉の前に置く。

その時「あっ・・・」

渉の席から数枚の資料が落ちた。
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