友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
あっという間に、約束した週末になった。

少しずつ荷造りをしているアパートの部屋。
私は鏡の前に座り自分自身の顔を見る。

会う約束をしてからずっと繰り返し練習してきた言葉を渉に言う。

絶対に泣いたり、本当の感情をみせたらいけない。


自分にまるで仮面でもするかのように、私はしばらく自分自身に言い聞かせた。


「ごめんね・・・」

お腹の赤ちゃんに謝りながら・・・。
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