友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
少しずつ着ている服のお腹周りがきつく感じるようになってきた。
もしかしたら、タイトな服は渉に勘付かれるかもしれない。

かといってラフすぎても疑われるかもしれない。

私はパンツに少し丈の長いシャツを組み合わせて、ヒールのないパンプスという恰好を選択した。


準備をしてからアパートを出る。

大きく深呼吸をして気合を入れてから、歩き出した。

待ち合わせをしたのは、私の住んでいるアパートの近くの喫茶店。

歩いて行ける距離にある。

転ばないように、気をつけながら歩く。

本当は震えるほど緊張している。
でも、強くならないといけない。

この子を幸せにできる母親になるためにも、強くならないと。
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