友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「それまで、こんなに何かを願うことも、思うこともなかった俺が、どうしても守りたい、支えたいって思ったんだ。玲奈のこと。」

「・・・」
握る手にさらに力を込める。

「でも、玲奈はどうしてか俺に背を向けた。」
「・・・」

「気持ちをみせてくれたかと思ったのに、その瞬間背を向けた。」

香澄の気持ちを聞いてから私は渉に背を向けた。

渉にもそれはわかっていたんだ・・・。

「心開いてくれたと思った。いっぱい時間はかかったけど。俺の方を見てくれたって思ったんだ。でもそれは俺の思い上がりだったのかって思った。」

ごめんね・・・心の中で何度も謝る・・・。
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