Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
摩弥さんのiPhoneに豊からのラインメッセージが届く。

「会食が長引きそうです…今夜は無理だって…」

「そう…」

摩弥さんはソファから腰を上げた。

「こんな時間まで付き合ってくれて悪いけど…私、帰ります」
私は摩弥さんを玄関先まで見送る。

「一人で大丈夫ですか?」

「大丈夫よ…コンシェルジュに頼んで、タクシー呼んで貰うから…」

「摩弥さん…私…」

「はっきり言います。私は貴方の代わりにはなれませんよ…睦月さん・・・」

「摩弥さん…」

「ゴメンなさいね…」

摩弥さんの心の中に居るのは豊じゃない。
多分、柊さんだーーー・・・


摩弥さんが背を向け、ヒールを履く。


「摩弥さんの好きな人は柊さんですよね…」

「そうよ…私…ずっと『アクティビティコンサル』入社した時から柊マネジャーのコトがスキ」

「じゃ豊のコトは?」

「貴方こそ、御堂さんのコトが本当にスキなの?」

「それは…」

「豊さんに素直な自分のキモチを伝えてみれば?」

「じゃ」

摩弥さんは優しい笑みを浮かべ、部屋を出た。





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