Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
晴れ渡る空。
心地いい秋の風。
今日は朔斗君の幼稚園の運動会。

「朔斗君!!」

「玲斗君」

「誰?」

「『ヘブンズリゾートマネジメント』の筒見社長のご子息よ…」

「あの筒見社長の…」

紗羅さんが私に教えてくれた。

「二人とも仲良しなんだ…」

「うん、お姉ちゃんは誰?」

「あ…私は…」

玲斗君に訊かれ、どう言えば良いのか説明に困る。

「あ…紗羅さん」

玲斗君を追うように筒見社長夫人が来た。

「凛香さん」

「貴方は神楽坂睦月先生!?私…先生の大ファンなんです!!」

筒見社長夫人・凛香さんは嬉しそうに私に握手と求めて来た。


「初めまして…筒見夫人」

「そんな堅苦しい呼び名は止めなさいよ。睦月さん」

「でも・・・」

「ねぇ~凛香さん」

「はい」

「筒見社長は??」

「仕事で遅れます…でも、玲斗の出る種目には間に合わせるつもりだと言ってました」

「へぇー…」



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