Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
朔斗君の運動会が始まった。

神楽坂会長にとっては初孫の朔斗君。
朔斗君の姿を写真に撮ろうとこの日の為に一眼レフカメラを購入。
「父さんも使えないなら、なんでこんなもん買うんだよな・・・全く」

会長に代わり、豊が朔斗君の写真撮影に奔走した。

その傍らで私はiPhoneで朔斗君を撮った。

「何で!?俺の横に居るんだよ!?睦月」

「仕方ないでしょ?被写体は同じ朔斗君なんだから…」

「大体、お前と朔斗は赤の他人だろ?」

「…豊と再婚すれば…赤の他人じゃなくなるわよ」

「はぁ?…まさか…姉貴から後継者の話訊いたのか?」

「まぁね…」

豊は口を引き結び、軽く溜息をつく。

「佐久也さんは周防家の当主にならないんでしょ?」

「まぁな…佐久也さんは元々周防家とは血の繋がりがないからな・・・」

朔斗君はかけっこの種目を終え、他の園児たちとグランドから退場する。

< 136 / 249 >

この作品をシェア

pagetop