Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「これは全部貴方の為を思って…」

「お母さん・・・」


私の為だと思って…離婚に応じない豊を激しく責め立て、泣く泣く離婚届にサインさせて捺印させた。

「豊の時もこんな風に責め立てて…離婚させるように仕向けたのね…」

「私は…貴方の為に…」

「私の為に?」

「そうよ…貴方だって…豊君と離婚できたから…鬱から立ち直ったんでしょ?睦月」

「それは…」

「西苑寺先生…俺と睦月は安心して下さい…別れましたから…」


「千里君・・・」

「・・・しかし、いい年した子供の交際に口に挟むのはどうかと思うぞ。莉真」

「…海里…私…帰るわ…」

お母さんは踵を返して出て行った。

「追い駆けなくていいのか?睦月」

「・・・私…仕事を済ませてから追い駆けるわ・・・母とはじっくりと話をしますから…心配しないで。千里さん」



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