Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
マスコミに対するパフォーマンスは終わり、招待客にはビュッフェやワインなどのドリンクが振舞われる。

「このイベリコ豚の生ハムサイコーですよ。紗月さん」
「この桜の花びら入りのジュレも美味しいわよ。睦月さん」

「お母さん…このフィレ肉も美味しいわよ…」

「バクバク食べてないで…挨拶回りを手伝え…紗月」

私は神楽坂会長と目を合わせた。

「睦月さんも居たのか?」

「うん、私が連れて来たの…お父さん」

「有翠…公の場所でウチと一緒に居ては…睦月さんの方が困るだろ?」

「お兄ちゃんと別れても…私とは仲良しだし。いいよね、お母さん」

「うーん…それは…難しい所ね…」

「睦月さんは迷惑?」

「それは…」

「俺が迷惑だ…」

挨拶回りしていた豊が私達の輪に首を突っ込んで来た。

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