Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
診察室を出ると入れ違いで、筒見社長夫妻が入って行く。

私達は会計のあるロビーへと移動し、ソファに腰を下ろした。

「姉貴のお勧め…俺らと似たような歳だよな…大丈夫なのか?」

「父親は横浜では有名な産婦人科病院の開業医らしいわよ…」

「ふうん・・・」

「でも・・・まさか…私よりも先に豊が先生を質問責めするなんて…驚いた」

「・・・俺は二度とお前を辛い思いさせたくないから…原因不明原因不明と言われて…俺達はずっと苦しんだ…そうだろ?睦月」

「そうだよ…」

「だからこそ…俺は原因を知りたいのに…また…原因不明だと言われて…少し頭に来た…」

「そうやって私を守ってくれる豊の姿に思わず嬉し泣きしそうだったけど…我慢した…」

「睦月…」

「豊…ありがとう…」

「…まぁ、槇村先生に任せるしかないよな・・・」

「うん・・・」

私達は若き槇村先生に一縷の望みを託した。

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