Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
彼女は何としてもこの子を産むと断言する。

だから俺に病院に付き添って欲しいと言った。

―――俺も今回の妊娠が最後だと言い聞かせた。これ以上、睦月に傷のココロとカラダに傷は付けない。
自分が避妊手術を受けようと思い、睦月にそう告げた。

翌日、姉貴の勧める産科医の居る東亜医科大付属病院に二人で向かった。

産婦人科外来の待合のソファで俺と睦月が診察の順番を待っていると誰かが俺達に声を掛けて来た。

振り返ると、筒見社長夫妻の姿が・・・

俺も筒見社長もバツの悪そうな表情になった。

そして、四人で診察の順番を待つ羽目に。

妻同士はベラベラと話をするが、俺と筒見社長は無言。

―――何を話すればいいのか…話題に困った。

妻たちは窓口に呼ばれ、二人は尿検査の為、御手洗いに行ってしまった。

俺達がソファに残った。
周囲は皆、女性ばかりで俺達は浮いてしまった。

奇異な目で見られ、俺は筒見社長と二階のカフェに逃げ込んだ。





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