Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「筒見社長とプライベートの話をするなんて…思いもよりませんでした」

「・・・そうですね…俺もビジネスパートナーにとこんなコトを話すなんて…どうかしているな」

「…男の俺達は無事に産まれてくれるコトを祈るしかありませんね…」

「そうだな…神楽坂社長の言う通りだ」

―――今度こそ無事に産まれるコトを…

そう神様に確約が出来るなら、どんなにいいか・・・


空のように誕生を控え、失いたくない・・・

「どうぞ…」

「えっ?」

「まだ、使用していないハンカチです…神楽坂社長」

俺の瞳に映る筒見社長の顔が霞んで見えた。

俺が知らない間に、死産した我が息子…空の為に涙を零していた。

「ハンカチなら、持ってます…お気遣いありがとうございます」
と俺は自分の上着のポケットからハンカチを出して涙を拭く。

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