Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
気づけば、年も明けていた。

病院の外に出れば、吐く息は白く濁ってしまい、頬を撫でる風も冷たい。

「ほら、ちゃんと巻けよ・・・」

彼は私の首許のマフラーを巻き直してくれた…

「ありがとう…」

豊は優しく笑い、自販機でさっき買ったばかりの温かい缶コーヒーを私に渡した。

「これ持ってれば…手も温かくなるぞ。睦月」

「うん…」

「でももっと…温かくなる方法があるわよ」

「えっ?」

私は豊の腕に腕を絡めた。

「こうして二人でくっつけば…温かくなる…」

「…そうだな…赤ちゃん産まれたら…二人の時間もなくなくちゃうから・・・今のうちにデートもしておこうか?睦月」

「えっ?」

「まぁ、睦月の体調が良ければの話だ…」

「大丈夫よ…」

「じゃ二人で…デートだ・・・何処に行きたい??睦月」

「何処にしようか・・・」



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