Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
私達はドアを閉めて、リビングに戻った。

「瀬川が迎えに来る前に…」

「何?」

豊は急に真顔になり、私を抱き締める。

「何ってキスするんだよ…」

「キス?」

「嫌か?」

「ううん…」

私は首を振り、嬉しそうに目を瞑った。

唇に感じる柔らかな豊の唇の感触。

何度の角度の違うキスを交わしていると豊の上着のポケットのiPhoneが振動した。

「誰だよ!?全く…瀬川か??」

豊はキスを中断してiPhoneをポケットから取り出した。

「姉貴か…」

「紗羅さん?もしかして…陣痛??」

「陣痛って…今日は朔斗君の入学式だろ??睦月お前の予感的中してるぞ」

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