Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
豊は気合を入れて恐る恐る紗羅さんから赤ちゃんを受け取った。

「首座ってないんだから…ちゃんと首支えるように抱っこするのよ…豊」

「それぐらい分かってる…」

「大丈夫??豊」

お義母さんは心配そうに豊を見ていた。

「豊、いきなり落とすなよ…」
お義父さんも心配そうに見守った。

豊は何も言わず、円らな瞳を開ける赤ちゃんの顔を見つめた。

「睦月も抱っこするか?」

「いいの?」

「睦月の方が慣れてるだろ?」

豊は私に赤ちゃんをゆっくりと渡した。

佐久也さんと紗羅さんの娘。

私にとっては姪っ子。

お腹の子にとっては従姉になる・・・

「女の子も可愛いわね…」

「本当に手なんてもみじみたいだな・・・」

「名前は決めてるのか?」

「名前は…由羅(ユラ)…周防由羅だ…」

「由羅ちゃんか…可愛い名前…」

「僕も抱っこしたい…いいでしょ??パパ」

「朔斗はちょっと…」

私はパパの佐久也さんに由羅ちゃんを返した。





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