Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
私はそのまま入院の運びとなった。
病室はVIP病棟の一室。
入院して一日が過ぎた。
モニター、診察、二十四時間の張り止め点滴、一日二回子宮内が細菌感染しないように抗生剤の点滴も投与された。

「ゴメンなさい…豊」

「何で謝るんだ?睦月は悪くないだろ?」

豊は仕事帰り、私の病室に立ち寄った。

破水している為、このまま陣痛が起きて自然分娩になるか?

子宮内に細菌感染が起こり、子宮内に赤ちゃんを留めておくのは危険だと判断されたら、緊急帝王切開になると槇村先生から説明を受けた。

「空の時とは違う…この子はまだ生きている…」

「うん・・・」

「…大きさ的には問題ないと槇村先生も言っている…」

「うん・・・」

「気をしっかり持てっ。睦月」

「うん…ありがとう…豊」

私は豊に励まされ、瞳に涙の膜を作った。

「泣くなよ…睦月」





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