Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
ノックの音とお父さんの声が聞こえた。

豊が扉を開けて、私の両親を病室に招き入れる。

「睦月…」

「大丈夫か?睦月」

「お父さん、お母さん…」

「豊君も仕事帰りなのに…大変だな…」

「いえ・・・」

「主治医の槇村先生から色々と訊いた…」

「赤ちゃんが元気だし…私も大丈夫だよ…お父さん、お母さん…」

「そっか…」

「睦月…」

「睦月には俺が付いてますし…大丈夫です。心配しないでください…お義父さん、お義母さん」

「豊君…睦月をお願いね…」

お母さんは涙ぐみ、ハンカチで目頭を押さえた。

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