Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
麻酔のせいか意識が少し曖昧になり、カラダは少しだけ浮遊感を味わった。
でも、元気な産声を訊いた瞬間、現実に戻され、瞼の裏が熱く焦がれ、止め処なく涙が溢れた。

――――私はママになれたんだと。


私と豊の元にようやく天使が舞い降りた。

―――可愛い赤ちゃんが…

「おめでとうございます…元気な男の子ですよ…神楽坂さん…」

槇村先生の声で看護師さんが私の元に産まれたばかりの赤ちゃんを見せてくれた。

目は開いてなかったけど…手足を動かし、生きているとママの私に全身で教えてくれた。
愛しい私と豊の子・・・

歩・・・




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