Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
睦月が手術室に入り、何分経っただろうか?
俺はiPhoneで時間を確かめる。

でも・・・まだ五分しか経っていない。

いつまで待つんだろうか・・・

俺はこの待ち時間がとてももどかしかった。
母子にもしものコトあればと言う不安が脳裏を過る。

余計なコトを考えないでおこうと思えば思うほど、色んなコトを考えてしまった。

いつの間にか…
皆…無言になってしまった。

それぞれの思いが交錯し、時間が過ぎていく。


そして…二十分が経過した。まだ・・・二十分・・・

遅い…時間の流れが遅すぎる…


「そうイラつくな…豊」

「俺は別に…」

そして…二十五分が過ぎる・・・


「遅くない?」

俺が隣に座る母さんに問いかけた瞬間、手術室から元気な赤ちゃんの産声が聞こえた。

「産まれたわよ…豊。訊いた?元気な産声」

「あ…うん…」

―――俺と睦月がパパとママになれた…瞬間だった。







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