Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
******

六月・・・

凛香さんも予定日よりも一週間遅れで無事に女児を出産。


私は歩よりも先に退院し、定期的に母乳を歩に届ける日々を過ごしていた。

「歩君も退院ももうすぐですね…神楽坂さん」

「はい…」

槇村先生の言葉通り、遥先生の首に提げたネームが旧姓の川上に戻っていた。

「遥先生…槇村先生と離婚されたんですか?」

「・・・最近、その質問ばかり受けるんですけど…離婚はしてませんよ…仕事上…旧姓で通してるだけです…」

「・・・色々と大変ですね…」

「奏弥さんモテますから…」

歩の退院の目途も立った。

私は凛香さんの病室を訊ねる。



< 245 / 249 >

この作品をシェア

pagetop