Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
私は一通りのレシピの料理をタッパーに詰め、スープはスープジャーに入れて、社長室に持って行った。

「失礼します」

社長室の応接ソファには豊と兄貴が座っていた。

「来たか…睦月」

「睦月??」

豊が目を円くして私を見つめ、兄貴を見た。

「お楽しみって…睦月ですか?西苑寺社長」


「そうだ・・・今日は店内にある睦月のスクールで講習会があったんだ。なぁー睦月」

「まぁね…これは講習会の料理の残り…捨てるはずの残飯だから…気にしないで食べて」

「客人に残飯食わせるのか…睦月は…」

豊は半分呆れてた表情を浮かべる。

「いいから…食えよ…豊」

私はテーブルに料理を置いて、タッパーの蓋を開けた。

「美味そう…」

兄貴はジッと私の料理を見つめ、唾を飲み込んだ。
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