Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「言っとくけど…俺には恋人が居るんです…有さん」

えっ?
今、何て言った??
有明のバーでは居ないって言ってたのに…
ジェットコースターの最上から一気に落とされた気分。

「そうなのか?いや…悪い…豊」

「…へぇー…豊、帰国した途端、彼女デキたんだ・・・」

「まぁな」

私はちゃんと笑顔になれているだろうか?
私は必死に表情筋を動かし、笑みを作った。

「じゃ食べたら、教えて…私…スクールに戻って後片付けしないといけないから…」

「そうか…悪かったな…睦月」
「じゃゆっくり食べてね…」

私はその場から慌てて逃げてしまった。

そして、誰も居ないパウダールームに入り、ミラーで自分の顔を確かめる。
無理に作った笑顔だけど、目には涙が潤んでいた。

私達は四年前離婚した・・・

もう夫婦じゃない。
あれだけ、私は豊に迷惑を掛けた。
元鞘に戻っても、私は神楽坂家の後継者を産めない。彼が妻として望むのは自分の後継者を産める女性。

私は論外。





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