Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
死児となった我が子は三日後、陣痛促進剤とバルーンを使い陣痛を促進に、出産した。

死児の出産には陣痛の痛みを和らげるアロマの匂いもなく、唯々静かで、付き添った豊の涙を啜る声と自分の涙声しか聞こえなかった。
誕生の喜びもなく、悲しみに暮れた出産だった。

出産後、妊娠八ヵ月目の我が子と対面。

二千グラムに満たないが未熟児だけど、ちゃんと髪も爪も生え、赤ちゃんの形をしていた。

男の子だった…


「生きていれば、この子は神楽坂家の後継者になっていたんだね…豊」

「あぁ…そうだな…」

「どんな目をしていたのかな？」
開かない我が子の二つの目を見つめ、涙に暮れる。

二人で死んでしまった我が子を囲み、束の間の親子の時間を過ごした。

男の子だったら、この名前…女の子だったら、この名前と二人で決めていた。

男の子の名前は空（そら）と名付けるつもりだった。

空に着せるはずだった産着にベビードレスを着せ、母に親子三人の写真を撮って貰った。
そして、空を棺に入れ、荼毘に臥した。
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