Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
度重なる流産に死産。
私は『不育症』と診断された。
治療すれば、『不育症』でも、赤ちゃんを産むコトが出来ると励まされたが、それ以上にココロが疲弊して、鬱病を患ってしまった。

キモチがジェットコースターのように上に下に揺れ動き、次第に生活に支障を来たし、豊に当たり散らす毎日となってしまった。

服用する薬剤を増やし、やり過ごすが、自傷行為に走るようになった。


何も言わず、ずっと私のそばに居てくれた豊も私をとうとう突き放した。

「君に愛されるよりも憎まれた方がいい…だから、此処にサインしてくれ」

「・・・私と別れて…他の女と再婚する気ね…」

「睦月…」

「いいわよ!別れてあげる!!神楽坂家が何よ!!私は赤ちゃんを産む道具じゃないわ!!」

キモチが滅入っている時の離婚話。

私は目の前の豊にイラつき、サインした。


四年間の結婚生活にピリオドを打って、私は実家に戻って行った。

彼は中国の上海レオンに海外赴任。

私達は別々の人生を歩み出した・・・

神楽坂睦月(カグラザカムツキ)二十七歳の冬だった・・・






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