Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
テーブルには三種のチーズのカナッペ、マグロのとアボカドのサラダ、生ハムとルッコラのピザ、キノコとクルミのブルスケッタがローテーブルを埋め尽くす。

「睦月さんって料理研究家でなんですよね…」

「まぁ、母もそうなんで…母のアシスタントをしているうちにそうなりました」

「睦月の所は母と娘揃って料理研究家だ」

「へぇー…私…料理得意じゃないから…睦月さんに教えて貰おうかな?」

彼女の指先を見れば一目瞭然、彼女の両手の指には服と合わせたシックなネイルが施されていた。
多分、豊と摩弥さんは結婚しない。

豊は家庭的な女性がタイプだから。

私はブルスケッタを摘まんだ。

「それ、美味いか?睦月」

「うん」
千里さんもブルスケッタを摘まむ。

「今日は何で来たんだ?豊」

「ん、あ…俺は秘書の車だ…帰りも秘書が迎えに来る」

「そっか…」

「御堂さんは?」

「俺は泊まる・・・なぁ?睦月」

「え、あ・・・」
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