Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
二人は豊の都合に合わせて、先に帰ってしまった。
「奢りだって言ってるのに…豊は生真面目だな…」

千里さんは豊から受け取った五万円を見つめる。

「五万も要らないと思うんだけど…まぁ、私がお釣り、豊に返しておくわ」

「二人で会うコトあるのか?」

「豊…同じフロアの部屋に住んでるから・・・」

「えぇ~っ!?」
千里さんは頓狂な声を上げて目を円くした。

「それ、どう言うコト?」

「偶然よ。偶然…私も初めて豊と顔合わせた時は驚いたけど…」

「・・・二人で部屋の行き来はしてるのか?」

「してないわよ…第一、向こうはほとんど部屋に帰ってないし…」

「へぇー…同じフロアね…可笑しくない?」

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