Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~

「で、三ヵ所目の候補地の場所は決まっているんですか？」

「そうですね…できれば…自宅マンションに近い場所で・・・」

「自宅は何処ですか？」

「六本木です…」

「それはどう言った理由で？」

「理由は単に自宅から近ければ…通いやすいかなって・・・安易な考えです…」

スクール講師以外にも運営の裏方の仕事もあり他にも諸々とした仕事が・・・かと言って…自分の名前を押し出し、スクールを開校した手前、アシスタント講師ばかりに任せてはいられない。

「分かりました…神楽坂先生の希望に合うような場所、探して差し上げますよ」

「で、でも・・・柊さんも忙しいでしょ？」

「俺はしません…亜久里頼んだぞ」

「あ、はい…」

柊さんは摩弥さんに仕事を振った。

「帰るぞ。亜久里」

「待って下さい！
私、まだ・・・コーヒー全部飲んでませんけど…」

摩弥さんは慌ててアイスコーヒーをストローで吸い上げる。
落ち着いた雰囲気の彼女の慌てる仕草が凄く可愛く見えた。

豊は彼女のそんな可愛い一面を見て、惚れたのかもしれない。