Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「アイスコーヒーでいいか?」

「うん」

部屋の間取りは同じ。
でも、内装は豊らしくシックな雰囲気、ダークブラウンの棚やローボード、黒のレザーソファと重厚感のある家具や調度品に囲まれていた。

「これ…差し入れです…」

硝子のローテーブルにサンドイッチを置いた。

「お気遣い、ありがとう御座います」

「別にいいのに…」

豊がグラスにアイスコーヒーを注ぎ、持って来た。

「どうぞ…」

「ありがとう…」

「部屋に帰ってまで仕事の話なんてしたくないと思いますが…」

「ううん…この昨日の話よね…」

「はい、柊マネジャーに急かされて…貴方から何も希望を訊かず…帰ったので…詳しい希望を訊きたくて・・・」

「何の希望だ?」
豊も私と摩弥さんの話に絡んで来た。

「料理教室増やそうかと思って…」

「へぇー…」

「小規模スペースの運営にするのか?
それとも今ある二ヵ所の教室のように生徒さんを大勢集めて、運営するのか?
どちらでお考えですか?」

「それは…」

そこまで、具体的に考えてなかった。

「コイツ…短絡的だから…余り深く考えてないぞ。摩弥」

「あのねぇー」

豊は私達の間に茶々を入れて来た。


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