Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「それよりもペンダントは見つかったのか?」

「ううん」
私は首を横に振った。

「そっか…この雨だし…諦めるしかないな…」

「あ、諦めるなんて出来ないわ!!」
私は豊の冷たい言葉に反論し、思い余ってカゼボから飛び出そうとした。すると、彼が強く後ろから抱き竦めて制した。

「雷だって鳴ってんだぞ!お前…何を考えているんだ…睦月」

懐かしい彼の温もりに雨で濡れ、冷えたはずのカラダが熱く火照り始める。

「わ、わかったから…離して・・・」

「無茶なコトしないと約束するか?」
豊のくぐもった声が耳の鼓膜を擽る。

「約束する・・・」

「絶対?」

豊はしつこく念を押した。

「うん…だから、離して・・・」

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