Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
******

兄貴との仕事のついでにと柊さんがスクールに立ち寄った。

「その後…三つ目のスクールの話はどうなりました?亜久里の話では立ち消えにしてるとか」

「えぇ、まぁ―・・・摩弥さんの言う通りで…今の所、具体的な話はありません」

「それは残念ですね…」

柊さんは惜しそうに漏らすとコーヒーを啜った。

「んっ?」

柊さんがテーブルに置いたiPhoneが鳴った。

黒のレザーのシックなiPhoneケース。
でも、ケースに付いていた可愛いリンゴ飴のストラップには見覚えがあった。

摩弥さんが豊とペアで着けるつもりで買ったストラップだ。


「そのりんご飴のストラップ…」

「あ・・・これ…亜久里から軽井沢のお土産にもらったモノですよ…」

「え、あ…そうなんだ…」

摩弥さんは豊ではなく柊さんに渡したワケ?

< 90 / 249 >

この作品をシェア

pagetop