ロマンスフルネス 溺愛される覚悟はありますか?
念のため声がした方を振り向いてみると、心臓にエグいくらい突き刺さる危うい色香の美貌が、拗ねた瞳で睨んでくる。
「なんでいんの!?」
「また化け物でも見たような顔をして。傷付きますよ」
夏雪と話を続ける間もなく、テーブルで謎の爆風が吹き荒れた。
「ま!ま!真嶋副社長!?」
「キャーーー、ホンモノ…!?」
「副社長がどうしてこちらへ?」
夏雪は同期女子の悲鳴のようなリアクションに彼はそよ風のような微笑みを返す。
「会食を中断した非礼をお詫びします。申し訳ありませんが、ここは恋人の私に免じて、透子を譲って頂けませんか?」
「え、『恋人』って…透子の、ですか?」
蓮華がこの世の終わりのような表情で聞き返す。
「はい。透子は私の特別な存在です。透子と過ごす時間は何物にも代えがたい。」
なんちゅーことを言っとるんじゃ。
と、思ったけど言えなかった。位置的に私の背後に立った夏雪が私の頭を抱えるように髪を撫で、頬に指を滑らせてくるからだ。
「今夜彼女に触れられなければ飢えて死にそうなので、助けて頂けますか?」
「…待っ」
「そう長くは待てません」
頬に触れたまま離れない指先。
悲鳴と歓声とが入り交じった同期のため息が聞こえて、さらに痛いくらいの視線が突き刺さる。
「ささやかながら、私からのお詫びを用意しておりますので。どうぞ、テラスのシートを使って下さい。」
夏雪がウエイターに視線を向けるとテラスに続く窓が開いて、シャンパンとデザートがパーティーのように盛り付けられたテーブルが見える。ゆったりしたソファーと広々とした空間で、明らかにV.I.P.用の席だとわかる。
紀香が高い歓声を上げたその瞬間、空が色とりどりに輝いて、ドンっと大きな音が聞こえた。
「え…花火…?」
「透子、あなたがぼんやりしてどうするのです。今のうちに行きましょう」
「なんでいんの!?」
「また化け物でも見たような顔をして。傷付きますよ」
夏雪と話を続ける間もなく、テーブルで謎の爆風が吹き荒れた。
「ま!ま!真嶋副社長!?」
「キャーーー、ホンモノ…!?」
「副社長がどうしてこちらへ?」
夏雪は同期女子の悲鳴のようなリアクションに彼はそよ風のような微笑みを返す。
「会食を中断した非礼をお詫びします。申し訳ありませんが、ここは恋人の私に免じて、透子を譲って頂けませんか?」
「え、『恋人』って…透子の、ですか?」
蓮華がこの世の終わりのような表情で聞き返す。
「はい。透子は私の特別な存在です。透子と過ごす時間は何物にも代えがたい。」
なんちゅーことを言っとるんじゃ。
と、思ったけど言えなかった。位置的に私の背後に立った夏雪が私の頭を抱えるように髪を撫で、頬に指を滑らせてくるからだ。
「今夜彼女に触れられなければ飢えて死にそうなので、助けて頂けますか?」
「…待っ」
「そう長くは待てません」
頬に触れたまま離れない指先。
悲鳴と歓声とが入り交じった同期のため息が聞こえて、さらに痛いくらいの視線が突き刺さる。
「ささやかながら、私からのお詫びを用意しておりますので。どうぞ、テラスのシートを使って下さい。」
夏雪がウエイターに視線を向けるとテラスに続く窓が開いて、シャンパンとデザートがパーティーのように盛り付けられたテーブルが見える。ゆったりしたソファーと広々とした空間で、明らかにV.I.P.用の席だとわかる。
紀香が高い歓声を上げたその瞬間、空が色とりどりに輝いて、ドンっと大きな音が聞こえた。
「え…花火…?」
「透子、あなたがぼんやりしてどうするのです。今のうちに行きましょう」