俺だって素直になりてぇよ。

 光に駆け寄って、

 {光?光?}

〔莉子。〕


〔やっと会えた。〕


 光は、体温も雨に奪われていた。

 冷たくて、服はびしょ濡れで。


 急いで家に入れた。

 {光、お風呂行ってきな。}

〔でも、俺。〕


 {お父さんのあるから。}

〔ごめん。〕


 光は、お風呂から上がった後もすこしふるえていた。

 わたしのせいだ。


 私がここに座りな。とやると、光はありがとうといって座った。

 光は、何も言わずに私をそっと抱きしめた。 


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