優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
祥太君の優しい言葉に涙がにじんだ。


『誰なんですか?あの人』


文都君に聞かれて、私は、


『迷惑かけて本当にごめんなさい。あの人は…私の同級生。川崎君っていうの』


『あの人のこと好きだったの?』


祥太君の質問。


『…』


私は、黙ってしまった。


どうしよう、嫌われるのを覚悟で全部話さないとダメだよね。


『結菜ちゃん、誰かに頼りたくなるくらい、ずっとつらかったんだよね?』


『えっ?』


『健太さんがあの調子では…結菜さん、まいってしまいますよね』


『結姉は何も悪くない』


みんな、こんな私を…かばってくれるの?


『…私が悪かったの。旦那のせいにしたらダメなんだけど…あの時はもう何もかもが嫌だったの』


涙がとめどなく流れる。


『旦那が浮気を繰り返してるのを見て見ぬふりをして…それでも、前に向こうって…一生懸命踏ん張ってた。だけど、川崎君に出会ってしまって…彼の優しい言葉に負けてしまった。もうどうなってもいい、何もかも失ってもいいと…思ってしまったの…』


私は、深いため息と共に肩を落とした。


『結菜ちゃん、あの人と…?』


私は、うなづいた。
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