優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
でも…


そういう意味深な言葉って、女性は勘違いしちゃうんだから…


『ありがとう。じゃあ、俺、着替えるから』


『あ、ごめん。もう行くね』


っていう間にも、さっさと洋服を脱ぎ始める祥太君。


『ちょっ、ちょっと!』


私は視線を逸らせ、慌てて部屋を出た。


「や、やだ…もう…急に脱ぎ出すんだから」


心の声が漏れだしそうになった。


胸に手を当てたら、心臓がドクドクと激しく音を立てている。


どうしてだろう?


祥太君といるとこんなにもドキドキして…


もちろんこれは恋とか愛とか、一目惚れとか、そんなたぐいのものじゃない。


うん、そうだよ、これはただのちょっとした緊張。


私が、今さら誰かに恋をするなんてあるわけないんだから。


『つ、次は誰だったかな?』


私は、冷静さを取り戻すために、ひとことつぶやいてから階段を降りた。


気持ちを切り替えなくちゃ。


まだ少し時間がある…ゆっくり歩いていこう。


バス停に着いて、しばらく待つ。


そして、数分後に止まったバスからは、2人の男女が降りてきた。


『こんにちは。神田 文都(かんだ ふみと)君と上山 智華(かみやま ともか)ちゃんね。大家の三井結菜です』
< 17 / 204 >

この作品をシェア

pagetop