優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
最初の1音が鳴った瞬間、ドキッとした。


この曲…


今の祥太君の気持ちを、素直に表しているんだろう…


とても、優しい音色。


きっと、心の乱れがない状態で作曲したんだろう…


引き込まれる…


深く、さらに深く…


祥太君の世界に。


文都君も、颯君も、とても感動しているようだ。


もっと、ずっと聴いていたかったけど…


祥太君の想いが詰まった演奏は、終わってしまった。


『本当にすごい、良かった。祥太兄、めっちゃカッコイイ』


颯君は、祥太君に向かってそう言った。


純粋な子どもみたいに真っ直ぐ見つめて。


『祥太君には、恐ろしい程の才能があるんですね。全く音楽がわからない僕の心にも、すごく響きました。本当にすごいです、絶対に、ずっとピアノ…続けて下さい』


文都君は、目が少し潤んでいた…


『そうだよ、絶対ピアノ、続けてね。素敵過ぎて、私、演奏中に体が固まっちゃった…』


『いいな、結姉にそんなふうに言われて』


『いいだろ?ピアノの魔法だよ』


『ほんと、ズルいよな~』
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