優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
『そうだったんだね』


『ずっと会社を継げって言われてるのに、好きなピアノを諦められなくて。楽団に入って…つまりは逃げてるんだ、俺。大学で経営学も学んでたから、親は当たり前に一人っ子の俺が継いでくれるって思ってたみたいで。でも、その期待には答えられずに…今に至ってしまってる』


思い詰めた顔の祥太君。


『24にもなって、まだ答え出せなくて情けないよ。父親は、社長のポストをいつか俺に譲りたくて、そのためにまずは自分の会社で働いていろいろ勉強してほしいって…でも、そうなれば、今の楽団にはいられない。忙しくなるから、きっとピアノにも触れない…』


そんな…それはとても悲しい。


『…祥太君のご実家がどんなお仕事をされてるのか…差し支えなければ話してくれる?』


『主に食品関係とかかな。他にもいろいろ幅広くやってる』


『食品関係?うちとは全然違う職種だね…って、まさか、山崎祥太ってことは、あの山崎フーズじゃないよね?』


だとしたら、うちなんか目じゃないくらいの大企業だよ!?


『…うん。まあ、そう』


えー!!


本当に!?
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