優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
『そ、それはすごいね。祥太君は、日本を代表する大企業の御曹司さんなんだ』


本気で驚いてしまった。


『正直、あまり言いたくはないんだけど…結菜ちゃんには隠し事したくないからね。でも、御曹司なんてそんな大したものじゃないよ。結菜ちゃんの製薬会社だってとても立派なんだから、俺がもし御曹司なら、結菜ちゃんは製薬会社のお嬢様になるよね』


『そんなそんな。お嬢様なんて私には似合わない』


私は、両手を胸の前で思いっきり振って否定した。


『似合わないことないよ。でも、やっぱり…御曹司とかお嬢様って何だか堅苦しいよね。俺、そういうのが苦手で…』


祥太君は明らかにスマートで爽やかなイケメン御曹司。


でも私は…やつれたただの寂しい女。


お嬢様なんて、程遠いよ。


『山崎フーズのお仕事は好きじゃないの?』


祥太君の顔が少しだけ曇った気がした。


『ごめんね。いろいろプライベートなこと聞き過ぎたかな?言いたくなければいいのよ。無理しないで』


首を横に振る祥太君。
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