優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
でも、私の兄も…


父のことをすごく尊敬してた。


兄も、もしかしたら他にやりたいことがあったのかも知れない。


それでも…


決意して、父の会社を継いだ。


きっと、それもとても大事な答え。


だけど、1番大事なのは、本当に自分らしく生きることなのかなって…


祥太君だけじゃない、私だってもっと自分らしく、自分に正直に生きなきゃって、不思議だけど、最近何となくそう思えるようになってきたんだ。


『少し時間はかかると思うけど、いつか話すよ…必ず。父親と向き合う』


私は、微笑みながら深くうなづいた。


『結菜ちゃん、ありがとう。相談して良かった。ずいぶん気持ちが楽になったよ』


『私なんかが偉そうに言ってごめんね。でも、頑張って。いつだって応援してるから』


『うん…あのさ、お礼に…1曲弾かせてくれないかな?結菜ちゃんのために』


『えっ』


『行こう』


祥太君は、そう言うと急に私の手を握って、キッチンを出た。
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