優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
『ごめん。今は無理』


文都君はそう言いかけたけど、私は、


『あ、もうそろそろ授業だよね。私、買い出しもあるから先に帰るね』


と言って、慌ててその場から去ろうとした。


『待って』


とっさに私の右手を掴んで止めようとする文都君。


そのやり取りを見てる女の子の視線が…ものすごく痛い。


私は右手を掴む手を優しくふりほどいて、笑顔で文都君にうなづいてから、すぐにその場を離れた。


振り返ると、女の子が文都君にグイグイ話しかけている。


積極的だな。


文都君、やっぱりモテるんだ。


そりゃそうだよ、あんなにイケメンなんだから。


眼鏡の似合う、本物のイケメン。


女の子が放っておくはず、ないよね。


そして、私が帰ろうとレストランのドアを出た瞬間、私を呼び止める声がした。
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