優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
『ありがとう、嬉しいな』


熱々の唐揚げを受け取り、帰ろうとした瞬間、颯君が小声で言った。


『今夜、モデル、またお願い』


私はうなづいて、颯君と別れた。


家に戻ると智華ちゃんがいた。


『お帰りなさい』


『ただいま。智華ちゃん、今日は習い事じゃなかった?』


『ちょっと体調が良くなくて…休みました』


『そうなんだ…大丈夫なの?熱は?』


智華ちゃん、少しつらそう。


『熱はないので部屋で休みます。すみませんが、食欲がないので夕食はいりません』


『わかったわ。でも、つらくなったら病院に連れて行くから言ってね』


その時、旦那が降りてきた。


『健太さん。すみません、部屋まで連れていってもらえますか?少し体調悪くて』


『大丈夫?もちろん、行こう』


旦那は、智華ちゃんの肩に手を回して支え、階段を上がっていった。


智華ちゃんも、やっぱり私のこと嫌いなのかな…


1度も名前を呼ばれたことないし、ひなこちゃんみたいに大家さんとも言ってくれない。


旦那のことは、健太さんなのに。
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