優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
楽しい食事の時間なのに、旦那はさっさと食事を済ませて2階に上がってしまった。


手には冷蔵庫に入ってたカットフルーツ。


智華ちゃんに持っていくんだ。


私がインフルエンザになって苦しんでた時には、家にも帰ってこなかったし、つらくて電話しても「ゆっくり寝てろ」って冷たかったのに、そんな人が智華ちゃんにはずいぶん優しいんだね。


まあ別に、どうでも…いいけど。


食事が終わって、みんなはそれぞれの部屋に戻ったり、リビングでくつろいだりしていた。


『結姉。片付け終わったらモデルいいかな?』


『うん、わかった。待っててね』


私は食器を洗い、キッチンを綺麗にしてから颯君の部屋に向かった。


そして、いつものように私はイスに座った。


まるで「指定席」みたいだ。


『ごめんね、忙しいのに』


颯君の気遣いの言葉が、今夜は身に染みて嬉しかった。


『ううん、大丈夫。片付けも終わったし。颯君こそバイトで疲れてるでしょ?』


『大丈夫。俺は全然疲れてない。絵を描いてる時間は、俺にとってなにより癒しの時間だから。絵描きよりモデルさんの方が大変だし、ほんとごめん』
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