誰かを笑顔にしたいから
「美優さん」
総合病院で看護補助員として働く美優(みゆう)は、上司に声をかけられた。
「はい」
「今日からこの階で働くことになった優斗(ゆうと)くんだよ」
上司は、美優と同じ格好をした男の子、優斗を紹介する。優斗は、とても不安そうに美優を見た。
「……よ、よろしくお願いします……」
小さな声で、優斗は言う。美優は「よろしくお願いします」と返した。
「……じゃあ、早速だけど美優さんに付いて仕事を見学してもらおうか」
「私ですか?分かりました」
美優はそう返事をして、優斗に仕事の説明を始めた。
あれから2週間。
美優のいる階に、小学生の女の子が入院した。
その子のいる個室からナースコールがあったため、美優と優斗が向かうと、その子のお母さんは戸惑った顔をし、女の子は泣いている。
「……大丈夫ですか?」
美優が声をかけると、その子のお母さんは「急に紗菜(さな)が泣き出して、私がなだめても、泣き止まないんです」と不安そうな顔をした。
「……紗菜ちゃん。もしかして……怖い?」
美優が紗菜に向かって問いかけると、紗菜は頷く。
「……怖いけど、大丈夫。お医者さんがちゃんと治してくれるから!」
美優が優しく微笑むと、紗菜は笑顔を見せた。
総合病院で看護補助員として働く美優(みゆう)は、上司に声をかけられた。
「はい」
「今日からこの階で働くことになった優斗(ゆうと)くんだよ」
上司は、美優と同じ格好をした男の子、優斗を紹介する。優斗は、とても不安そうに美優を見た。
「……よ、よろしくお願いします……」
小さな声で、優斗は言う。美優は「よろしくお願いします」と返した。
「……じゃあ、早速だけど美優さんに付いて仕事を見学してもらおうか」
「私ですか?分かりました」
美優はそう返事をして、優斗に仕事の説明を始めた。
あれから2週間。
美優のいる階に、小学生の女の子が入院した。
その子のいる個室からナースコールがあったため、美優と優斗が向かうと、その子のお母さんは戸惑った顔をし、女の子は泣いている。
「……大丈夫ですか?」
美優が声をかけると、その子のお母さんは「急に紗菜(さな)が泣き出して、私がなだめても、泣き止まないんです」と不安そうな顔をした。
「……紗菜ちゃん。もしかして……怖い?」
美優が紗菜に向かって問いかけると、紗菜は頷く。
「……怖いけど、大丈夫。お医者さんがちゃんと治してくれるから!」
美優が優しく微笑むと、紗菜は笑顔を見せた。
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