行き着く先は・・

••元妻


隣駅まで行き
降りてスーパーに向かうと

「いいじゃない、行こうよ」
「いえ、用事があるので。」
「うそでしょ、どうせ。
おばさんで、がまんしてやるから。」
と、男に手を引かれて
嫌がっている女性がみえて

見てみぬふりをして
通り過ぎようとしたが
希空が、そんなことになったら
と、思い。

「おい、嫌がっているように
みえるけど。」
と、声をかけると
「あ?関係ないだろ!」
と、言うと男が振り向くと
丁度、警邏中のお巡りさんがいて
「覚えてろよ!!」
と、言って去って行ったら
女性が、ずるずると崩れて行き
慌てて支えると
「すみま····せん···」
と、青い顔で言う女性は
「·····いす····ず····」
と、俺が口にすると
ハッとした顔で俺をみて
「はる····と····」
と、言い涙が瞳にたまる
「どうしたんだ?体調が悪いのか?」
と、いすずを抱き起こす。
「少し風邪ぎみで
朝から体調が悪かっただけ。
大丈夫よ。」
と、言うが、とても大丈夫に見えなくて
「迎えに来てくれる人いるか?」
と、言うと首を横に振るから
「送る。」
「いいよ。悠人用事があるのでは?」
「後ででも出来るから心配ない。」
と、言ってタクシーを止め
一緒に乗り込む。

いすずは、窓に頭を傾けて
目を閉じる。

昔から、偏頭痛をもっていて
風邪からくるときと
疲れからかでるときがあった。

タクシーに乗り込むと
向かう場所を言って目を閉じている
我慢しているんだろう。

到着したマンションは、
駅から10分弱の綺麗なマンションだった。

俺は、いすずを抱えて
マンションに入り
セキュリティを解除させて
エレベーターに乗り
彼女は、15階を押す
部屋の前に行き
鍵を開けて中に入り
「上がらせてもらうぞ。」
と、言い
いすずを抱えたまま
「寝室は?」
と、言うと指を指すから
そちらに行き開けて中に入り
ベッドに寝かせた。
「ありがとう。ごめんね。」
と、言うがきつそうだから
「薬は?」
と、言っていすずが示した場所に行き
冷蔵庫を開けてミネラルウォーターを
取り薬と一緒にもって行き
飲ませた。

着ている服には触れないから
そのまま寝せて、布団をかける。

薬が効いてきたのか
寝息が聞こえたので
寝室を出て

紙に、
鍵は、ポストに入れた。
無理をしないように。
何かあったら連絡しろ
と、携帯番号を書いて
鍵をしめて、ポストに落とす。

いすずは、
インテリアのコーディネーターを
やっていて、腕も良い。

部屋の中も
センス良く整えられている。
昔を思い出して笑ってしまう。

マンションから出て
駅に向かい電車で帰った。

なぜか····
タクシーで帰る気にならなかった。
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