行き着く先は・・
••連絡
朝、出勤前に
ひかりから
「仕事終わったら
茜さんが本店に来てだって」
と、言われた。
やはりかと思いながら
「わかった。」
と、言って会社に向かう。
悠人さんに会わないように
入社以来初めてギリギリで会社に入る
総務課のみんなに
「就任そうそう休んでしまって
申し訳ありません」
と、挨拶をして引き継ぎや
課長や主任と会議に入る。
お陰で、退社時間まで
悠人さんに会うこともなく過ごせた。
そのまま、お母さんの事務所へと
行くとひかりも来ていて
座るように目で言われて座ると
「希空、どういうこと?」
と、母に訊かれて
いままでの経緯を話す。
ひかりも、あの時の写真をみせる。
母・茜は、どうしたものかと
考えながら
「希空は、それで
どうしたいの?
私は、あなたにはまったく
悪いところはないとわかってる。
親だからって言うのもあるけど
あなたは、そういう子だから。」
「お母さん、ありがとう。
正直、どうしてよいのか
わからない····
だけど····
やはり、わかりあっている
二人が一緒になる方が良いだろうし
一緒にならなくても
そんな関係が続くなら
私、要らなくない?
私は、そんな強い女でも
理解ある女でもない。
だけど、こんなりあっさり
やられる···と···
私は····いったい·····なんだった····のか···と。」
と、涙を流す希空に
母・茜もひかりも
辛い気持ちになる。
茜は、ひかりに希空を頼んで
一緒に帰って貰い
悠人に連絡をした。
「しばらく、希空の思うように
させてほしい。」
と、伝えた。
神田さんは
「なぜ?」とか
「どこにいるのですか?」とか
言っていたが
「いま無理をすると希空は、戻らない。」
と、言うと
「わかりました。」と、言った。
本当になにもわかっていないのだろうか?
どうして、他人の女性に
そこまでできるのだろうか?
一度結婚していても今は他人だ。
まして、希空に結婚を申し込んで
他の女に手を貸す?
食事をする?
希空の前だし
希空にちゃんときいたから
そう思っているのだろうか?
はあっ、35にもなって?
それすら、わからない?
神田さんは、自分の奥底にある
元の奥さんへの気持ちに気づいてない
だけ····だと茜は思った。