行き着く先は・・

••婚約破棄


いすずとどうやって別れて
マンションに帰ってきたのか
覚えていない。

気がつくとソファーに
座っていた。

希空は、いすずを俺の元妻だと
知っていた。

「課長と奥様」
希空の言葉が、ぐるぐると回る

それに、彼の言った
あんなに頑張って覚えたのに
彼は、希空の元彼だ。

なぜ、二人が?

考えていると
携帯がふるえる
みると····いすずで
『悠人、大丈夫?
もし良かったら
月曜日の夕方病院に行きたいと
思っているけど
一緒に行ってくれる?』
『たぶん、大丈夫だと思うが
都合悪ければ朝の内に連絡する。』
と、返すと
『ありがとう。無理言ってごめんね。』
と、戻ってきていたが
それからは返さなかった。

今度は、着信
希空の母・茜さんだ。
「神田さん、急で悪いのですが
明日の朝、10時に私の家に
来ていただけますか?」
「わかりました。伺います。」
と、返事をして電話を切った。

大体の話しはわかる。

悠人は、正樹とやり直すから
別れをいわれると考えていた

自分に非があるとは
まったく思っていなかった。


その頃·····

希空は、総務課長に連絡をしていた。

悠人との婚約が破棄になった事を
報告をした。

総務課では、
今、引き継ぎが始まったばかりだったので
他の方を係長にして欲しい事。

神田課長は、社にとって大切な方だが
一緒に働く事は
自分にはできないから
勝手だが退職をしたいと思っている
事と伝えた。

課長は、人事と相談させて欲しいと
「優秀な君を失うことはあり得ない
月曜日は、有給と言うことで
連絡を待っていて欲しい」
との事だった。

電話を切る前に、課長から
「これは、個人情報だから
他言は致しません。」
と、言って頂けた。

大好きな会社を
こんな形で辞める事になるなんて。
情けない気持ちで
胸がつぶれそうだった。
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