行き着く先は・・

••何もわかってない


そんな悠人の言葉に涙を流す希空。

テーブルを« バーン »と叩く音

「あんた、バカなの?
元嫁が気になって、気になって
たまらないと言ってるじゃないの?

この間、おばさんから
気持ちはないのか?と訊かれたよね。
あの時も、あなたは奥さんに
気持ちはまったくありません。
愛しているのは希空だけだとは
言わなかった。

あなたの中には奥さんへの
気持ちが残ってるのですよ。
希空の方が早くに気づいたみたいですが。

普通いくら元嫁でも
平気でその女性の部屋に入り
面倒みますか?
平気で自分の部屋にいれますか?
あなたは、元妻だから
元夫だからというのでしょう?
それは、おかしいことなんですよ
あなたは、奥さんの事を知人と
言っているくせに····
知人にそこまでする人はいませんよ。

あなたは、そんな年にもなって
それがわかってないから
平気で自分の婚約者である
結婚したいと言って
プロポーズをした女性に対して
気も回らなければ、
平気で傷つけるんですよ。

それに、あなた、元奥さんと
一緒に暮らしていたのか
恋人同士だった時の部屋か
知りませんが、そこに希空を
呼べましたよね?

奥さんがあなたを抱えと
セキュリティを簡単に解除して
部屋の階数のボタンを押すなんて、
再会したばかりでは
あり得ませんよ。

希空だって、覚えたばかりなのに。

あなたのその神経がわからないし
あなたは、根本から
希空でなくて
奥さんを愛してるんですよ
いまでも。

希空は、心配したり、会ったり
抱き上げたりする····そんな二人に····
お互いを心配しあって
お互いが何かあると駆けつける
間なら、神田さんにとって
自分は要らないだろうと
言っています。

正樹はね、
私と希空が待ち合わせをしたときに
たまたま、会ったの
当時、自然消滅をしたことを
詫びたいとこの間呼ばれたの
食事の時は私もいた。
あんたとは違うんだよ。」

と、ひかりは言いながら
悠人さんと奥様が食事を
二人で楽しくげにしている
写真を見せた。

「これは、私が撮りました。
その日は、編集者との食事で
あの店にいたのです。

あなた達は、二時間以上ずっと
こんな感じだった。
だから、希空に知らせた。
だけど希空は、知人と食事に行くと
言っていたから知っている
と、言ったけど
女性とか、ましてや元嫁と
行くとは知らなかった。

私もあの姿を見ていたから
希空からの話を聞いて
二人はそんな中だと思いました。

あなたは、奥さんの事は
何でも知ってる、わかる。
もちろん奥さんも。

だけど、あなたは希空の婚約者
だったのよ。
希空が何かあると食事が
出来なくなるなんて
知らないでしょ。
それが、あなたの答えよ。」
と、ひかりが言うと

悠人は····
わなわなと口を動かしていたが····

茜から
「婚約は破棄でお願いします。

式場のキャンセル、
新居のキャンセル、
あなたの両親への説明は
全てあなたが、神田さんが
やって下さい。

弁護士を立てて戦うなら
私は、やりますよ。

あなたは、私と夫の大切な
宝物を傷つけたのだから。

私は前回そう言いましたよね。
金輪際、希空に関わらないで。
まあ、関わることもないか。」
と、言われた。

希空は、指輪を外して
箱に入れて差し出し
「お持ち帰りください。
あなたの部屋にあるものは
ほとんど持ち帰りましたから
後の物は捨てて下さい。

私の部屋にあるものは、
管理人さんに預けて置きますから
引き取ってください。」
と、言って悠人の部屋の鍵を返して
「私の部屋の鍵を返して下さい。」
と、言ったが
悠人は、首をふりながら
「ちがう!!
俺は、希空が好きだ、好きなんだ。」
と、言うから
「それは、錯覚です。
あなたは、また、奥様が困っていたら
手を差し出します。
助けにも行くでしょう。
私は、それを許せる程
強くはありません。

毎回、毎回、奥さまのとこに
駆けつけるあなたを
送りだせる程、私はできた女でも
ありません。

あなたは、早く自分の気持ちに
向き合った方が良いですよ。

宙ぶらりんでは、
もし奥様以外に好きな人が
できても、また苦しめますよ。
それでは、鍵を」
と、言うと
悠人は、ノロノロと鍵を出したから
それを受け取った。

それを見て茜は、
「仕事がいくらできても
自分の気持ちもわからずに
他人を平気で傷つけるなんて
あり得ません。

あなた納得していないようですが
希空があなたと同じ事をしても
知人だから、元彼だから
と平気ですか?
住んでいるところさえも
知っていてセキュリティを
簡単に解除して入っていく
そんなことが簡単にできる間柄を。
良く考えて見て下さい。」
と、言って
「お引き取り下さい。」
と、言った。
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