行き着く先は・・
(十一)
••退職か残るか
翌日、総務課長より
電話を頂いた。
課長は、人事部長と話して
「神奈川工場の受付をお願い
できませんか?」
と、言われた。
「色々な事が重なって、
上手く自分の考えをまとめきれないので
母に相談させて下さい。」
と、課長に伝えると
課長は、
「宜しくお願いします。」
と、言って電話を切った。
希空は、母・茜とひかりに
相談をした。
母・茜は、
希空がどれどけオオノギ製薬に
入りたくて頑張ってきたかを
知っていた。
それだけに簡単に言えなかった。
だが、オオノギ製薬を
離れるのも一つだと思っていた。
ひかりも茜と同じ考えだった。
悠人は、まだオオノギにいるのだから
どこかで見聞きしたり
心ない事を言う人がいるかもしれない。
なにも悪くない希空に。
確かに、オオノギ製薬に入社したくて
頑張っていたが····
その事を踏まえて
二人は、希空と話をした。
希空もひかりも27歳
まもなく28歳になる。
会社の歯車で受付をする
年代ではないと·····
確かに希空は、綺麗だが····
ひかりは、雑誌の仕事を
茜は、花に関する仕事を
希空にさせてみる事に。
10日間の猶予はある。
希空の次に繋がる幸せを考えたい。
それでも、やはり····と思うなら
オオノギ製薬に戻れば良いと。