行き着く先は・・
(十二)
••必死に
希空は、母の店のスタッフの方達に
「宜しくお願いします。」
と、挨拶をしてから
花の水切りやアレンジ、包装の
やり方を教えて貰いながら
一つ、一つこなしていった。
お花屋さんて綺麗で可愛い花と
一緒にいれて良いな
とか、思っていた自分を殴りたい
ぐらい大変な仕事だった。
でも、だから花が綺麗なんだと
わかったような気持ちだった。
夜は、ひかりと一緒に
本について勉強をした。
題材をひかりに決めて貰い
それに対して自分の意見を書く。
難しくて、自分の言いたい事が
上手く言葉にできなくて
イライラしたりするが
楽しかった。
悠人の件・会社の事も
全てを忘れて没頭していた。
茜もひかりも希空が無理をしているのは
わかっていたが
希空のやりたいように
やらせる事にした。
二人は、他にやりたいことが
でてくるかもしれないが
それは、それで良いと思っていた。
1日、1日が過ぎて行き
元から頭も良くて器用な希空は
花の仕事も本についても
少しずつできるようになっていった。
茜のようにはできないし
アレンジメントも自己流だが
お客様からの評判も良かった。
ひかりも、希空が書いたものを
編集者に見せたら
面白いと言われたり
本人に会わせたら
これが、また大変で
いろんなスカウトが来てしまった。
希空は、びっくりしていたが
編集者に苦笑いをしていた。
一週間を過ぎた時
茜とひかりは、希空に呼ばれた。