行き着く先は・・
••自分探し
「お母さん、ひかり
沢山心配かけてごめんなさい。
沢山迷惑もかけてごめんなさい。
そして、私に仕事の大変さや
楽しさを経験させてくれて
ありがとうございます。」
と、頭を下げて
「二人にお願いがあります。」
と、言って二人の顔を見て
「お母さん、一から鍛えて下さい。
大変な仕事だけど
お花に囲まれた仕事を
このままやってみたい。
ひかり、ひかりみたいに
翻訳とかは無理だけど
編集者の方が言っていた
本の紹介や場所や物を
皆さんにお知らせする仕事を
やってみたい。
甘いかもしれませんが
私の中でどちらも新鮮で
私の身体の中に風が流れたの
オオノギ製薬に入社したくて
頑張って、入社してからも
がむしゃらにやって五年
もう、経理課には戻れないし
新たな部署でやっていくなら
自分自身を新たにしたいと
思ったの。
娘だから、友人だからと
甘えることは、決してしないから
宜しくお願いします。」
と、言った。
母は、少し考えてから
「午前中、花屋に入り
午後からアレンジメントの教室に
通いなさい。」
と、言った。
「じゃ、教室終わってから
こちらの仕事をやるって事で
大丈夫?」
と、ひかりに言われて
「はい、宜しくお願いします。」
と、二人に頭を下げて言った。
母から、母のおすすめの
教室を教えてもらい
申し込みに行く。
その足で編集者の方に会う
そして、
オオノギ製薬の総務課長に
会う約束を取り付けた。
編集者の方からは
今回出版される雑誌に
紹介を込めて
希空が読者に知らせたい事を
1頁だけ載せる
と、言うことだった。
ひかりとは、ここで分かれて
オオノギ製薬に向かう
総務課長と話して、
20日程有休があるので、
それを持って退社となった。
総務課長も人事部長にも
残念がられたが
もう、未練はなかった。
悠人さんに出会わなかったら
まだ、勤務していただろうが····
誰が、どうのとは、言いたくなかった。
経理課の皆にも
総務課の皆にも挨拶は
控える事にした。
総務課課長と人事部長には
お世話になった事へのお礼を伝えて
会社を後にした。
明日から、新しい自分探しを
やって行こうと思っていた。