行き着く先は・・
㈣
••お付き合い
課長は、翌日には出社してきた。
早瀬さんに
「心配かけてすまなかった。」
と、詫びていた。
早瀬さんも
「無理しないで下さいね。」
と、言いながら
ホッとしているようだった。
私は、
「おはようございます。
もう、大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「ああ、ありがとう。
青山のお陰だ。」
と、言うから
顔が赤くなりそうなので
慌ててその場を離れた。
それを課長が気づいていた···とは。
それからは、出社してくる社員から
次々に声をかけられていた。
もちろん、他の部署からも······
早瀬さんの第二経理課が
落ち着く頃には
こちらの第一経理課が
忙しくなり残業が続く。
これでも、前よりは残業しなくても
良くなったほうだ。
課長は、相変わらず
残業しているから
早瀬さんと
早目に帰るように
毎回伝えていた。
今日も残業で間もなく
帰る所で
席を外していた課長が席についた。
ん?まだ残業するのかな?
と、思っていると
「青山、もう終わるか?」
と、訊かれて
「はい、他に仕事ありますか?」
と、答えるて
「いや、帰るなら。
一緒に晩飯付き合って欲しいと思って。」
と、言われて
慌てて回りをみるが
私と課長しかいなくて
ホッとしながら
「宜しいのですか?」
と、言うと
「もちろん。」
と、言われて
一緒に会社を後にした。
課長は、車で来ていて
地下の駐車場に行き
車に乗り
食事をするところへ向かった。
課長が連れてきてくれたのは
お洒落なお店で
食事も美味しかった。
「素敵な所ですね。
どなたかと?」
と、訊ねると
「いや。初めてきた。
ネットで調べたんだ。」
と、言うから
びっくりしていると
席を外している間に調べて予約
したらしい。
それが、嬉しいやら
可愛いやらで笑ってしまうと
課長は、罰が悪そうに
「青山にお礼をしたかったのと
一緒に食事をしたかったから。」
と、真顔で言われてしまい
「ありがとうございます。」
と、答えるのが精一杯だった。
それからは、こうやって
二人で食事をする事が増えて行き
昼食べたり、食べなかったりする
課長のお弁当を作って
持って行くようになり
私は、課長にはまってしまい
お付き合いをすることになった。
付き合うようになってからは
課長が私の家にご飯を食べに来たり
私が課長の家に行き
作ったりしていた。
付き合いを始めて三ヶ月を過ぎた時
課長から、
「希空と朝まで一緒にいたい。」
と、言われて····そういう····ことよね····
私は、真っ赤になりながら
頷くと課長は嬉しそうに微笑んだ。